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足底筋膜炎

起こりやすいスポーツ:バスケットボール・バレーボール・陸上・サッカー・剣道

症状と診断

足には、「縦のアーチ」と「横のアーチ」があり、縦のアーチには、内側と外側を通るものがあります。体重によってかかるストレスは、アーチをつぶして「足底筋膜」を引っ張る方向に働きます。ランニングなどでこのストレスを繰り返し受けていると、炎症が起きることがあります。

 炎症が起こると、ランニングの動作のなかで、とくに爪先へ体重が移行するときに土踏まずに痛みを感じるようになり、悪化すると、歩くだけでも痛みを生じます。

​ この症状は、足の甲がフラットでアーチの少ない「扁平足」の人や、

反対に足の甲が高い「ハイアーチ」の人によく起こりますが、扁平足

場合は、土踏まずがないために着地の衝撃を吸収しづらく、ハイアーチの場合は、筋膜の緊張が強く、ストレスを受けやすいのが原因です。

引用:小山 郁. 2013. 『スポーツ傷害とリハビリテーション』美研クリエイティブセンター編. 1.東京都: 体育とスポーツ出版社.

足底筋膜炎で痛む部分

基本的な治療法

足底腱膜炎の治療は保存的治療が基本です。症状の80〜90%は軽快するとされますが、改善まで数ヶ月〜1年以上に及ぶこともあります

 急性期では局所の安静が大切です。スポーツに起因する場合は痛みを誘発する動作を禁止または制限します​。慢性期ではテーピングやアイシングの実施、足底板の処方を行います。

引用:河原 勝博・帖佐 悦男. 2014. 「基本の「き」から学ぼう 患者さんに話せるスポーツ障害(第15回) 足底腱膜炎」『整形外科看護』 19巻11号: 1191-3頁.

​ 繰り返して痛みを起こすようなら、インソールなど土踏まずのアーチを支えるような装具を用いることがあります。

引用:小山 郁. 2013. 『スポーツ傷害とリハビリテーション』美研クリエイティブセンター編. 1.東京都: 体育とスポーツ出版社.

予防法

予防法としては足底筋膜や下腿三頭筋のストレッチが有効です。ストレッチによって筋や筋膜全体の緊張を

やわらげます。また、足の縦のアーチを支える足底や

下腿の筋力強化や同部位にテーピングを行い補強します。そのほかに運動終了後のアイシングや痛みが出ない範囲での運動量の調節を行います。

​ 足のサイズ(足長、足幅、足囲)に合っていない靴の使用も発症の要因になることがあります。このため、足に合った靴を履いているか、靴底が片減りしていないかなどのチェックを行い、不具合がある場合は靴の変更や足底版などでの調整が必要になります。

引用:河原 勝博・帖佐 悦男. 2014. 「基本の「き」から学ぼう 患者さんに話せるスポーツ障害(第15回) 足底腱膜炎」『整形外科看護』 19巻11号: 1191-3頁.

足底筋膜炎の予防のためのストレッチ

運動・スポーツを長時間続けていると足底筋膜にストレスがあかり、そのまま放置しておくと、徐々に筋硬化状態は亢進していく。

 足底筋膜の硬化状態が亢進していくと足底の柔軟性と弾力性は薄れ、バネとしての作用が徐々に失われ、強くキックすることができなくなる。そのために、全力疾走能力が低下したり、ジャンプ能力が低下することになる。

 また、ダッシュとかジャンプによって生じた強い衝撃力を足底で吸収する作用が減少し、その負担がアキレス腱にもろにかかることになり、アキレス腱を痛めやすくなる。

 図1のようにポーズをとる。親指に力を入れて強く押しながら指圧を行う。内側部を念入りにケアし、次に中央部に移行し、念入りに指圧とマッサージを繰り返す。

 指圧・マッサージを行い少し柔らかくした後は、足の指全体を掴んで即手筋膜のストレッチを行う。ストレッチの保持時間は10〜20秒間として、4〜5回繰り返す。

 足底筋膜は、腱性の板のようなもので、十分にストレッチさせることはできない。そこでストレッチしながら強く叩くと血行がよくなり効果が高まる。図2

 青竹踏みは手軽に行える足底筋膜の疲労回復法のひとつであり、運動・スポーツ後には是非行ってもらいたい。図3

引用:堀居 昭. 1998. 『スポーツ障害別ストレッチング』太田 博編. 1.東京都: 杏林書院.

図1

図2

図3

スポーツシューズとケガ 

 シューズは人間のからdと地面(床)との接点に位置し、競技力発揮の点だけでなくケガを予防する意味でも重要です。とくに練習用シューズについては、かかとがすり減ってもまだはいている人が少なくありませんが、これは足のみならず、膝や股関節その他への悪影響が

生じやすいので、注意が必要です。できるだけ早めに

新しいものにはき替えることをすすめます。

 また、足、足首、膝などの慢性的な痛みの場合、

スポーツ医がシューズをチェックすることもありますから、受診の最には普段スポーツで使用しているシューズを持参するとよいでしょう。

引用:日本整形外科学会. 2005. 『ケガをしたときのスポーツ医へのかかり方』日本整形外科学会編. 改訂第2版.東京都: 有限会社ブックハウス・エイチディ.

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