top of page

疲労性骨膜炎(シンスプリント)

​起こりやすいスポーツ:陸上・バレーボール・バスケットボール・サッカー

 ランニングに伴い発生する、とされている障害で、陸上競技(トラック)、バスケットボール部などで、シーズン初期に侵入部員に多く発生します。

スネの内側、下部に痛みが出ますが、レントゲン写真では異常を認めません​。脛骨のこの部分には、足首を蹴る動作を受け持つ筋肉がついていますが、ここへの負荷のよるものと考えています。

引用:日本整形外科学会. 2005. 『ケガをしたときのスポーツ医へのかかり方』日本整形外科学会編. 改訂第2版.東京都: 有限会社ブックハウス・エイチディ.

シンスプリント疼痛部位

症状

 脛骨内側部の疼痛、とくに中〜円位1/3の疼痛が特徴的です。初期には疼痛の出現は運動時や

運動後に限定され、歩行にはさほど思想をきたしません。しかし、重度となると安静時痛を認める

こともあります。また、腫脹や発赤はほとんど認めません。

引用:松井 智裕・熊井 司. 2014. 「基本のきから学ぼう 患者さんに話せるスポーツ障害(第14回) シンスプリント」『整形外科看護』 19巻10号: 1105-7頁.

治療

​疲労骨折、シンスプリントいずれにおいても、その治療には、原因となったスポーツ活動(ランニングやジャンプ)の休止が原則です。ただその間も、他の部分のトレーニングや体重のかからない水泳や自転車は可です。

引用:日本整形外科学会. 2005. 『ケガをしたときのスポーツ医へのかかり方』日本整形外科学会編. 改訂第2版.東京都: 有限会社ブックハウス・エイチディ.

現場での処置

疼痛が強い場合には運動を休止させ患部のアイシングを行う。ヒラメ筋のストレッチングは治療、再発予防のため必要である。軽症例では足部の回内を軽減するテーピングや足底板の利用も有効となる。

引用:小出 清一・福林 徹・ 河野 一郎. 南江堂. 『スポーツ指導者のためのスポーツ医学』小出 清一・福林 徹・ 河野 一郎編. 2.東京都: 株式会社南江堂.

シンスプリント疼痛部位のアイスマッサージ

下腿三頭筋(ヒラメ筋含む)のストレッチ例

シンスプリントのストレッチ

①シンスプリント予防のためのストレッチ


 シンスプリントはジョギング、ランニングなど長時間に及ぶ運動に多くみられる。また、バスケットボール、バレーボールななど跳躍系の競技にも多くみられる。バスケットボール、バレーボールに多いのは跳躍の他に反発係数の高い床からの反発力もシンスプリントを招く誘因の1つになる。


 後脛骨筋は、キックするごとに短縮と伸展が繰り返される。そのために、ジョギング、ランニング、ジャンプを長時間にわたり行っていると脛骨腓骨下腿骨間膜から端を発している後脛骨筋起始部筋腱移行部が使いすぎ症候群に陥り、炎症が生じ脛骨の下位の骨膜にも炎症が及ぶことがあり、これがシンスプリントである。

 運動中に足首を回内しすぎる癖のある人はシンスプリントになりやすい。その理由は着地中に後脛骨筋がより引き延ばされるようになるからである。後脛骨筋はそれほど太い筋でもなく、体表からは触れにくい箇所にあり、しかもストレッチしにくい筋である。試行錯誤した結果、次の方法を用いると後脛骨筋をストレッチできることがわかった。
 しかし、後脛骨筋は十分にストレッチできるものではないので、パートナーと組んでマッサージをするか、練習後にお風呂などのお湯の中で、セルフマッサージを行い、後脛骨筋の疲れを取ることを勧める。

 

図7は後脛骨筋のストレッチの方法である。図7のようなポーズを取り、床に踵をつけ、後脛骨筋が伸展されるように後脛骨筋のストレッチを行う。足首の柔軟性は個人差があるので、実施する人によって後脛骨筋に感じられるストレッチの具合が違う。足首の角度をいろいろ変えて工夫してみる。後脛骨筋に具合よくストレッチが感じられる角度が見つかったら踵の内側に少し体重をかけるようにすると後脛骨筋を少し伸展させることができる。

図5、6は後脛骨筋のパートナーによる

マッサージとセルフマッサージの方法を示したものであるが、後脛骨筋の起始部側を押すと飛び上がらんばかりに圧痛が感じられる。これが後脛骨筋の疲労度のチェック方法である。そのポイントは、脛骨の内側上部の1/3で後脛骨筋の起始部側である。

その部位に軽くマッサージを施し、筋疲労を

取り除く。

​ 圧痛のひどいときは微細断裂が考えられるので、強いマッサージは行わない。血行がよくなる程度の軽いマッサージが勧められる。

堀居 昭. 1998. 『スポーツ障害別ストレッチング』太田 博編. 1.東京都: 杏林書院.

図7

図5

図6

bottom of page